○月×日 厚岸町「 逸品工房」に、行ってきた。

食べた時に「旨いっ!」と思えることは、何かを食す時に一番大切な条件だろう。それを満たした上で、その商品が並々ならない苦労・こだわりに支えられていると知ったら…?不思議とより美味しく感じられるのは、私だけではないと思う。厚岸町にある『逸品工房』には、そんな商品が沢山並んでいる。水産会社の直営ショップであり、もちろん「厚岸といえば」の生がきも購入・注文できる。だが、注目してほしいのは『かきのソフト燻製』だ。

「かきの…燻製?」とビックリするかもしれないが、全国水産加工たべもの展で『水産庁長官賞』を二度も受賞している逸品。そんなスゴイ商品が今でも『知る人ぞ知る』状態なのには、深〜いワケがあった。黒田水産として全国展開のファミレスチェーンにあさりや昆布を卸していた際、バイヤーから「かきのお土産を作ってほしい」との依頼があって製品開発に取り組んだとのこと。この開発の仕方が、ハンパじゃない。かきの栄養を徹底的に分析し、膨大なデータを元に「いかに旨み・栄養成分を流出させずに加工するか」「食品添加物・合成保存料を使用せずに、常温で日持ちさせるには?」を追求…試行錯誤の末、独自の製造工程を編み出したとか。洗浄・ボイル・薫煙・スチーム殺菌…『かきのソフト燻製』一品を作るのに38時間もかけているというから、その本気度がビッシビシ伝わってくる。もともとは一般小売を意識した商品ではなかったのだが、「値段どうこうじゃなく、自分達が納得できるようなものが作りたかった」という通りの出来栄えで「お土産でもらったら、美味しかったから…」と評判が全国に広がったそう。…と、ここまで書いてもスゴさを伝えられない気がして、もどかしいっ!ぜひ『逸品工房』へ足を運んで、店長のハナシを聞いてみてほしい。こだわりや熱意に脱帽・感心しているうちに、驚くほど時間が過ぎてしまっているかもしれないけれど(笑)。でも、聞く価値は十分にある。商品の礎を知ることで、「旨いっ!」がより倍増するんだもの。


『かきのソフト燻製』の他にも、ご飯に混ぜるだけでかきめしになっちゃう『かきの佃煮』・地元の人にも人気が高いという『つぶの甘露煮』など、様々な加工品を製造・販売している『逸品工房』。何気なく「今後、作ってみたい商品はありますか?」と聞いてみたところ、「うちは小さい会社だから、どうしたいか…というよりは、時代の動きをよく見て自分達が変わっていかなくては」とのお答え。会社が地に足をつけて成り立っていなければ、どんなにいい商品でも発信できない…とは、ごもっともである。商品に妥協しないクリエイトな部分と、状況をしっかり見極めるビジネスの部分。この絶妙なバランスが、『逸品工房』の「旨いっ!」を支えているのかもしれない。



黒田水産直売店 逸品工房

住所:厚岸郡厚岸町奔渡町5-1

TEL:0153-52-4161

営業時間:9:00〜17:00

定休日:日曜日

ホームページ:http://homepage2.nifty.com/kacchi/

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記事の内容は月刊fit2010年5月号掲載時点のものです。

 

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